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掲載開始日:2024年1月5日
最終更新日:2024年1月5日
日本の肝臓病の多くは、肝炎ウイルスに感染することによって起こる「ウイルス性肝炎」です。
ウイルス性肝炎は、原因になるウイルスの種類によって、A型、B型、C型、D型、E型の5種類があります。
汚染された飲料水や食品から経口感染するA型肝炎、E型肝炎、
感染している人の血液や体液に接触することで感染するB型肝炎、C型肝炎、
と感染経路が異なります。日本ではD型肝炎はまれです。
A型肝炎ウイルスによる感染症で、急激に発症し、発熱、悪心、全身倦怠感、食欲不振などの症状が現れます。皮膚の黄疸や褐色尿がみられることもあります。
海外渡航者や施設などにおける集団発生や家族での感染報告があります。
治療は安静や食事療法が基本になります。
汚染された飲料水、食品(生ガキは感染源として重要)による経口感染や性行為による糞口感染
生水や加熱処理しない食品の摂取を避けましょう。
便の処理に注意し、流水と石鹸での手洗いをしっかり行いましょう(特におむつの交換後、食前)。
必要時次亜塩素酸ナトリウムなどによる消毒を行いましょう。
東南アジア、中近東、アフリカ、中南米などへ渡航する予定があれば、あらかじめ予防接種を受けることをお勧めします。
E型肝炎ウイルスによる感染症で、急激に発症し、発熱、悪心、全身倦怠感、食欲不振などの症状が現れます。皮膚の黄疸、褐色尿などがみられることもあります。日本では獣(ブタ、シカ、イノシシ、ウマなど)の生肉摂取によっての感染報告があります。
治療は安静や食事療法が基本になります。
生獣肉、汚染された食品や飲料水による経口感染
B型肝炎、C型肝炎のどちらに感染しても、ほとんどの人はこれまで通りの日常生活を送るのに支障はありません(慢性肝炎)。
しかし、慢性肝炎をそのままにしておくと、いつの間にか肝硬変や肝がんに進行することがあります。
発見されたときには、すでに病気が進んでいる場合もありますので、一度きちんと専門医の診断を受けて、肝臓の状態や対処法などの説明を受けましょう。
その後も定期的に検査を受けて、自分の肝臓の状態の合わせた治療と生活管理をしていくことが大切です。
B型肝炎ウイルスによる感染症です。肝炎発症までに平均90日間かかるといわれています(個人差あり)。
発症すると全身倦怠感、悪心、嘔吐、食欲不振などの症状が現れます。黄疸や尿濃染などがみられることがあります。
治療には飲み薬(核酸アナログ製剤)の服用、注射薬(インターフェロン)を用いる2種類の方法があります。
B型肝炎ウイルスに感染している人からの血液や唾液、精液などの体液に接触することで感染します。
C型肝炎ウイルスによる感染症です。肝炎発症まで14~180日かかるといわれています(個人差あり)。
急性肝炎では風邪に似た症状(発熱、だるさ、食欲不振)や黄疸が現れますが、感染に気が付かないこともあります。
慢性肝炎になると症状はほとんど出ませんが、放置すると肝硬変や肝がんに移行する恐れがあります。
肝硬変になると、疲れやすい、こむら返り、皮膚のかゆみ、手掌紅斑、黄疸、むくみ、腹水、出血傾向などの症状が出ます。
治療には飲み薬(DAA:直接作用型抗ウイルス薬)または飲み薬と注射薬(インターフェロン)の併用があります。
C型肝炎ウイルスに感染している人の血液や体液に接触することで感染します。
以前は輸血による感染が多くありましたが、現在は感染予防措置が施されています。
かわりに、以下のような原因で感染する若年層が増えています。
北区では、区から委託を受けた区内医療機関において、B型・C型肝炎ウイルス検査を実施しています。
検査は、北区保健所から発送する「北区肝炎ウイルス検診受診票」等の書類が必要になります。
検査をご希望される方は、以下のページをご参照ください。
以下のすべてに該当する方