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掲載開始日:2024年2月26日

最終更新日:2024年2月26日

北区政執行の基本方針についての所信と令和7年度当初予算の大綱について

r7syoshinhyomei 令和7年第1回区議会定例会の開会にあたり、区政執行の基本方針についての所信を申し述べますとともに、ご提案いたしました令和7年度当初予算の大綱についてご説明申し上げ、北区議会並びに区民の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

 

 

 

 

 

北区を取り巻く状況と区政運営の基本的考え方

 さて、昨年は区政を「本格的に進める年」をテーマとして、区民生活向上のための取組みを、長期的、短期的それぞれの視点で計画的に進めていく、初年度と位置付けました。

 基本構想の将来像を実現すべく、7つの主要政策を柱とした、新たな「北区基本計画」と「中期計画」を策定し、北区が進むべき新たな方向性を示すとともに、資源調達・活用や柔軟で持続可能な行財政システムの構築に向けた経営方針を示す「北区経営改革プラン」を策定しました。
 
 具体的な取組みとしては、「北区子どもの権利と幸せに関する条例」の施行や、能登半島地震を踏まえた防災対策、新一万円札発行カウントダウンプロジェクト、DXを追求した区民サービス向上の3つのリーディングプロジェクトをはじめ、高齢者のヒアリングフレイル対策として補聴器の補助、デジタル商品券「しぶさわくんPay」の販売や新たな賑わいの拠点となる「ジェイトエル」の開設、北とぴあ大規模改修の再検討、基金の運用範囲の拡充等、社会情勢の急激な変化に応じた、区としての体制づくりや事業の見直し、新規実施など、計画的かつ柔軟に、スピード感をもって、対応をしてきました。

令和7年度当初予算の概要

 続いて、令和7年度の当初予算の概要について、申し上げます。
 政府の経済見通しでは、総合経済対策の効果が下支えとなって、賃金上昇が物価上昇を上回り、個人消費が増加するとともに、企業の設備投資も堅調な動きが継続するなど、引き続き、民間需要主導の経済成長となることが期待されています。
 一方で、欧米における高い金利水準の継続や、中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響等、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇、アメリカの今後の政策動向、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があり、区政運営に予断を許さない状況が続いています。

 今回ご提案いたします、令和7年度予算はこうした情勢を念頭に置きながら、
 区民の皆さまに豊かさが、「広がる区政」を目指した積極的予算といたしました。

 はじめに収入見通しについて、ご説明申し上げます。
 まず、特別区税につきましては、納税義務者1人当たりの所得の伸び等が堅調に推移するとともに、前年度は定額減税の影響があったことから、全体で前年度比9.4%増の361億8,500万円の計上としました。

 特別区交付金につきましては、令和7年度当初フレームを踏まえ、普通交付金を604億円、特別交付金を20億円の計上としました。
 特別区交付金の主要財源である調整税等は、海外景気の不透明感が強まっているものの、堅調な固定資産税や好調な企業業績を背景とした市町村民税法人分の伸びなどにより、増収を見込んでいます。
 特別区債につきましては、学校改築等に、約61億円の発行を予定しています。

 基金につきましては、新庁舎整備基金、まちづくり基金、学校改築等基金にそれぞれ10億円を積み立てる一方で、財政調整基金から約73億円を繰り入れ、積極的な事業展開を図るほか、まちづくり基金や学校改築等基金など事業目的に合わせた活用も図ってまいります。

 さらに、基金においては、その一部についてリスクを十分勘案したうえで、積極的な債券運用を図ってまいります。

 次に、予算規模についてご説明します。一般会計予算は、前年度比5.7%増、103億6,600万円増の1,917億3,300万円となりました。令和5年度にこれを超える予算規模がありましたが、新庁舎整備基金の設置に伴う基金の移し替え180億円があったことから、実質的には過去最大の予算規模となりました。
 このほか、国民健康保険事業会計、介護保険会計さらに後期高齢者医療会計の3特別会計を含めた予算の総額は2,743億7,279万1千円となりました。

 続いて、令和7年度の主要事業について、3つのリーディングプロジェクトに沿って順次申し上げます。

3つのリーディングプロジェクト

 令和7年度は、様々な分野の垣根や役割を越えた横断的な取組みを進め、相乗効果を生み出すような施策を展開していきます。庁内での部署をまたぐ取組みをはじめ、区民の皆さまとのコミュニケーションや、公民連携による事業の推進など、参加型の区政運営により、これまでの様々な取組みが、さらにつながり、広がるよう、3つの観点からコラボレーションを図り、リーディングプロジェクトに位置付け、展開してまいります。

「ブランディング」✖「協働・公民連携」

 1つ目は、「ブランディング」と「協働・公民連携」のコラボです。
まず、「参加型」の魅力発信です。北区の魅力を積極的に発信する地域の方、学生、事業者の方等が「北区ブランディングサポーター」として活動していただく制度を開始します。さらに、著名人等を「(仮称)スペシャルブランディングサポーター」として登用することで、力強く北区の魅力を発信していきます。

 次に、公民連携によるブランド力の強化です。北区ファンの増加やファンプライドの醸成を目的とした団体、事業者等のイベント活動等に対する助成制度を創設するほか、区内中小企業の技術力、製品力を強化し、経営力や価値の向上につなげるブランディング支援事業を開始します。また、「(仮称)北区公民連携推進条例」の制定に向け、検討会議を立ち上げるとともに、プラットフォームやサポートデスクの構築に向けた取組みも進めてまいります。

 さらに、新たなブランド戦略による魅力向上です。北区の総合的・戦略的なプロモーション方針となる「(仮称)北区シティブランディング戦略ビジョン」を策定するとともに、北区公式インスタグラムの開設や、新たなブランドメッセージを普及させるため、ブランドロゴとともに、ブランドガイドラインを制作することで、統一感をもったブランドイメージを醸成します。

「子ども・若者、高齢者、障害者」✖「活躍」

 2つ目は、「子ども・若者、高齢者、障害者」と「活躍」のコラボです。
 まず、「体験型」で子どもたちの未来を応援いたします。友好都市との交流事業や環境学習、農業体験等の交流事業を充実・開始するとともに、将来の渋沢翁を北区の子どもたちから輩出することを目指し、起業体験ワークショップの開催や、英語教育及び国際文化理解の促進を図るため、TGG(トウキョウ・グローバル・ゲートウェイ)におけるオールイングリッシュ体験を実施いたします。

 次に、人生100年時代の「いきがい」や「居場所」づくりです。「今日」、「用」を作り、外出する機会や交流を創出し、高齢者の活躍や元気づくりを応援するため、様々な事業に横串をさした(仮称)人生100年時代の「キョウヨウ」プロジェクトに取り組んでまいります。
 さらに、障害のある方のくらし・活躍応援です。障害のある方が、自分らしさを活かした就労選択ができるよう支援を行うほか、障害のある子どもの区内通所施設のより一層の充実を図るため、現状の課題分析や関係機関へのヒアリングなどを実施し、専門家の知見を活用した検討を進めてまいります。

「グリーン」✖「まちづくり」

3つ目は、「グリーン」と「まちづくり」のコラボです。
まず、CO2やごみを「減らして」クリーンなまちを目指します。私道防犯灯や公共施設のLED化により、CO2の排出量を削減するとともに、新たに「事業系生ごみを減らそうプロジェクト」を立ち上げ、まちの飲食店が取り組む生ごみ削減を伴走型で支援いたします。また、リユース食器活用の実証実験を実施するなど、これまでの家庭への取組みに加えて、事業者への支援を強化し、これまで以上に徹底したごみの減量に取組み、「ゼロ・ウェイスト(ごみゼロ)」のまちづくりを進めてまいります。

次に、みどりを「育み」うるおいのあるまちを目指します。駅周辺まちづくりにおいて、民間事業者との協議や区民・区内団体の皆さまと連携し、積極的にみどりの創出に取り組むとともに、公園指定管理者制度の拡大や公園樹木の戦略的なメンテナンス等、公園のみどり環境の充実に努めてまいります。

7つの主要政策

続いて、令和7年度の主要事業について、7つの主要政策に沿って順次申し上げます。

区民サービスNo.1の行財政改革

 1つ目の主要政策「区民サービスNo.1の行財政改革」では、「きたDX推進方針」の理念のもと、区民福祉の更なる増進を目指し、デジタル技術の活用を加速化するため「北区DX推進計画」を策定します。令和7年度から3年間で概ね1,700件の行政手続きの原則電子化を進めるほか、より多くの区民が図書に触れる機会をつくるため、いつでもどこにいても利用可能な電子図書館を導入するとともに、児童書の読み放題サービスを開始し、子どもの読書活動の後押しをしてまいります。また、文章生成AIの導入拡大、ローコードツールの積極的な活用に向けて取組み、職員の働き方改革を促進することで、区民サービスの向上にも繋げてまいります。

 区政情報の発信については、「広報基本方針」に基づき、「伝える広報」から「伝わる広報」に転換し、誰もが「見やすい」「わかりやすい」「探しやすい」北区公式ホームページの運営を目指し、サイトデザインを刷新するほか、スマートフォンからの閲覧における利便性の向上、AIを活用したより自然な多言語翻訳機能、外国人向けのやさしい日本語機能の追加などのリニューアルを行います。

 さらに、デザイン思考等の新たな手法を取り入れた区政運営に取り組むとともに、「北区公共施設等総合管理計画」を改定し、区有施設の民間活用も視野に入れた有効活用や多機能化・多目的化、コスト縮減を図るほか、引き続き、ふるさと納税の返礼品の強化を進めるとともに、国や東京都との連携を強化し補助金等財源の確保にも努めます。

 新庁舎建設では、建材業界を取り巻く社会情勢の変化に柔軟に対応しながら基本設計の中間報告に向けた検討を進めてまいります。

子どもの幸せNo.1

 2つ目の主要政策「子どもの幸せNo.1」では、「北区教育・子ども大綱」を改定し、すべての子どもの権利を尊重し、子どもの目線に立った支援体制及び子どもの育ちを応援する体制づくりを進めてまいります。

まず、子ども食堂の運営支援を拡充するとともに、学習支援事業「みらいきた」の拡充を通じて、様々な状況にある子どもの居場所を地域で支えていきます。

 また、産後ケアの充実を図るため、新たにアウトリーチ型を導入するほか、助産師の児童館・子どもセンターへの派遣事業を開始します。

 さらに、在宅子育て家庭の孤立を防止するため、託児付きの講座と食事会をセットにした交流の場を提供するモデル事業や、ひとり親家庭等の子育ての負担軽減を図るため、ファミリー・サポート・センター利用料の一部助成を開始するほか、子育て家庭の多様な働き方やライフスタイルに対応するため、先の補正予算で実施した、こども誰でも通園制度及び子育ち応援モデル事業の実施園を拡充します。

 教育においては、「心の教育」「保護者サポート」「教員支援」「教育DX」の4つの新機軸に取り組み「教育先進都市・北区」ネクストステージを進めてまいります。

 まず、新たにいじめ対応に特化した職員の配置や、「常駐型」のスクールロイヤー制度を導入し、弁護士による相談体制の充実、さまざまな課題への積極的な介入による早期解決を図るため、プロフェッショナルチームを編成し、地域・大学等と連携した重層的な支援体制を構築いたします。また、アンガーマネジメント教育実施校の拡充、不登校支援として校内別室指導支援員の中学校全校配置、東京家政大学と連携した新たな学びの場を設置いたします。

 また、教員の働き方改革の更なる推進を図るため、学校給食費の公会計化に向けた準備や、新たに多様な主体による地域クラブ活動の開始、部活動指導員の拡充等を図るとともに、ICT教育を充実させるため、通信速度を現行より大幅に上げるインフラ整備を行うほか、授業支援に特化したICT支援員の拡充等に取組んでまいります。

 併せて、近年の社会経済情勢や学校を取り巻く環境の変化に対応するため、学用品等への補助の検討、区独自の奨学金返済給付事業の開始に向けた準備や「北区立小・中学校長寿命化計画」等の改定に着手し、将来の教育環境の確保に向けた検討を行ってまいります。

つながる医療・福祉No.1

 3つ目の主要政策「つながる医療・福祉No.1」では、全ての区民の健やかな生活を実現するため「(仮称)北区健康づくり推進条例」制定に向けた検討を開始します。

 区民の健康づくりでは、保健と福祉の施策を分野横断的、総合的に推進するため「地域保健福祉計画」の改定に着手するほか、新たに若年がん患者の在宅療養にかかる費用の助成を開始します。また、肺がん検診について、受診率の向上を図るため、特定健康診査等と同時に受診できる環境を整備します。母子保健では、特定不妊治療の助成を開始するほか、5歳児健診の実施に向けた検討を進めてまいります。

 高齢者福祉では、より多くの要支援者等のセルフマネジメント力向上を図るため、通所型短期集中予防サービス事業において少人数型をモデル実施します。また、介護事業所のDXを推進するため、令和7年度から最大3年間のケアプランデータ連携システムの利用料補助を開始します。特別養護老人ホームについては、桐ケ丘やまぶき荘の大規模改修工事に着手します。

 障害者福祉では、重度身体障害者の入浴介助について、夏季の利用回数を拡充するほか、物価高騰等の影響を踏まえ、ストーマ装具の基準額を引き上げます。また、重症心身障害児等のレスパイト事業において、新たに特別支援学校を看護師の派遣先としてまいります。

経済と環境の好循環を地域力で創出

 4つ目の主要政策「経済と環境の好循環を地域力で創出」では、社会情勢の変化を踏まえた区内産業の新たな方向性を示すため「北区産業活性化ビジョン」を前倒しで改定するほか、赤羽イノベーション大学の開講による起業家支援や、デジタル化の状況に応じた専門家による伴走支援等を行う中小企業デジタル化等支援事業を開始します。また、円滑な事業承継に向けた取組みを支援するため、専門家支援及び必要な設備投資等に対する助成制度を創設します。

 商店街支援では、区内共通商品券の発行を引き続き支援するとともに、デジタル商品券「しぶさわくんPay」の取扱い店舗の拡充や新たに地域通貨実装に向けた検討を開始します。また、商店街の負担軽減を図るため、イベント支援や装飾街路灯補助を拡充するほか、空き店舗活用支援事業についても家賃補助を拡充するとともに店舗改装費助成を新たに追加するなど、商店街の活性化及び個店の支援の強化を図ります。

 地域美化の推進については、スポーツとして楽しみながら清掃を行うことができる「スポGOMI大会in北区」を新たな地区で実施いたします。また、受動喫煙防止の取組みを推進するため、北とぴあ及び赤羽駅西口駅前広場に閉鎖型喫煙施設の整備を進めてまいります。

安全・安心No.1の防災と北区強靭化

 5つ目の主要政策「安全・安心No.1の防災と北区強靭化」では、関係機関や協定団体等と連携した災害対策本部訓練を実施し、災害対応力のさらなる強化を図ります。また、地域の防災力向上に向け、防災の基本情報や避難所の開設・運営等をわかりやすく伝えるための動画を制作し普及啓発に努めるとともに、新たに防災士資格取得助成を開始するほか、各地区防災会議へ専門家を派遣し、各地区の避難所訓練開催を企画立案から支援する取組みを開始します。併せて、今年度から順次策定している地区防災計画に基づいた訓練を実施し、計画の見直し等を行った場合に補助の上乗せを行い、地区防災会議防災訓練補助を拡充します。

 大規模災害への備えでは、区民への多様な情報伝達手段を確保するため、臨時災害FM放送局の実験試験局免許を取得し、防災週間等の機会を捉えて試験放送を実施することで、発災時の迅速な開局に向けた運用体制の構築と区民への周知を図ります。また、能登半島地震で発生した火災の多くが、電気が原因による火災であったことを踏まえ、感震ブレーカーの配布・取付支援の対象を拡大いたします。

 また、大規模水害等への対応では、荒川氾濫時の想定浸水区域に居住する世帯を対象に、水害リスク診断書を配付し、対象世帯ごとの水害リスクを把握することで、防災意識の向上を図ります。また、集中豪雨や台風等による被害を最小限に抑えるため、土のうステーションを増設するほか、石神井川の水位情報をいち早く把握するため、区内で上流に位置する音無くぬぎ緑地へ新たに水位監視カメラ等を設置します。

 防犯対策については、若者の安全を守るため、新たに闇バイト防止のための啓発事業を実施するとともに、強盗事件などの犯罪が相次いでいることを受けて、個人宅での対策を強化するため、防犯カメラやカメラ付きインターホン等の防犯機器を購入した場合の補助を行います。また、赤羽駅東口で実施している客引き行為等防止パトロールの人員を拡充し、安全・安心なまちづくりを進めていきます。

100年先を見据えたまちづくり!

 6つ目の主要政策「100年先を見据えたまちづくり!」では、駅周辺のまちづくりに着実に取り組んでまいります。まず、公民連携によるハード・ソフト両面のまちづくりを進めるため、交通利便性や区内産業などの北区のポテンシャルを最大限発揮するための産業や商業などの駅前へ機能集積に関する調査を実施するとともに、地域と連携したエリアマネジメントを進めていきます。

 王子駅周辺では、新庁舎周辺の先行実施地区とともに、北口周辺地区のまちづくりを確実に進めていきます。さらに、王子駅周辺エリアプラットフォームによる未来ビジョンの策定や社会実験の実施などを進めます。
 赤羽駅周辺では、先行する第一地区の市街地再開発事業の支援のほか、「赤羽駅周辺地区まちづくり基本計画」の次のステップとして、具体的な整備計画の策定に着手します。
 十条駅周辺では、再開発事業の完了にあわせ、各団体と連携して「まちびらきイベント」を開催するとともに、継続的に十条地区のにぎわいを創出していくための組織体制の構築を支援します。
 東十条駅周辺では、今年度策定した「東十条駅周辺まちづくりガイドライン」に基づき、南口駅前広場の整備や土地利用に向けた検討を本格化します。

 公民連携のまちづくりでは、大規模公益施設を中核とし、周辺地域を含めたエリア一体のまちづくりを進めてまいります。「北区岩淵周辺地区かわまちづくり計画」の登録申請を行い、国による整備に合わせた、北区として必要な整備の検討や河川空間を活用した岩淵周辺のにぎわい創出に公民連携で取組みます。

 交通の分野では、「地域公共交通計画」の改定に着手するほか、赤羽西地域における地域公共交通導入の検討を進めるとともに、コミュニティバスの浮間ルートについて、国際興業バス・赤58系統の廃止に伴う代替運行を反映した実証運行へ移行します。また、放置自転車の減少と、区民の利便性の向上を図るため、赤羽台の擁壁補強工事後の敷地内及び王子駅前の北本通り沿いの2か所にQRコード決済システムを導入した自転車駐輪場を整備します。

 公園整備については、神谷公園や名主の滝公園の整備を進めるとともに、インクルーシブ遊具への交換等、誰もが楽しいと思える遊具への更新を進めるとともに、老朽化したトイレの建替えや、便器の洋式化及びバリアフリー化を行い、清潔・快適に利用が出来るよう計画的な改修を進めてまいります。
 施設の整備においては、令和10年度の開設に向けて、引き続き(仮称)桐ケ丘区民センターの設計を行うとともに、元気ぷらざの改修設計に着手します。

 動物愛護については「ペットは家族である」との認識のもと、災害時に安心してペットと避難できる環境を整備するため、避難所におけるペット同行避難のルール整備やペット用備蓄の充実を図るとともに、狂犬病予防の注射済票を動物病院等での注射の際に、即日発行できる体制を整備してまいります。

文化・芸術・スポーツを区民目線で活性化!

 7つ目の主要政策「文化・芸術・スポーツを区民目線で活性化!」では、(仮称)芥川龍之介記念館の開設に向けた整備及びクラウドファンディングを実施するほか、飛鳥山に居を構えた渋沢栄一翁が国内外の要人・賓客をもてなし、交流の場となった日本史上も重要な史跡である茶室「無心庵」の再興に向け、庭園エリア整備の検討を進めてまいります。また、名誉区民である奥山峰石氏の米寿展を山形県新庄市と連携して開催するほか、同じく名誉区民であるドナルド・キーン氏の功績を顕彰するための記念事業の展開や、コロンビア大学ドナルド・キーン日本文化センターとの連携に向けた取組みを開始します。さらに、彫刻家・北村西望氏が平和祈念像の構想を練った彫刻アトリエ館の、今後の利活用を検討するため、建物の学術調査等を実施します。

スポーツ施策では、区のスポーツ推進の基幹計画となる「北区スポーツ推進計画」について、更なるスポーツ実施率の向上を目指すため、スポーツを取り巻く環境の変化に対応した特色あるスポーツ施策の展開等を検討し計画の改定を行います。また、東京2025(二―ゼロニーゴー)デフリンピックの機運醸成を図るため、北区が会場となる射撃の出場選手や、北区ゆかりのデフアスリート等との交流事業を実施いたします。

区民の皆さまの豊かさが「広がる区政」を目指して

 現下の社会経済の先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される一方、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスク等に十分注意する必要があります。

 令和7年度の国の予算案は一般会計総額115兆5,415億円で、過去最大となり、好調な企業業績が下支えし、税収も過去最大となりました。歳出は、公務員や保育士の給与改善など経済・物価動向への対応するほか、高齢化の進展や金利の上昇等により、社会保障費や国債の返済額が過去最大を更新するなど増え続ける経費に対応する一方で、こども・子育て支援の新規・拡充など重要政策課題への対応を行うとともに、国債発行額が17年ぶりに30兆円を下回るなど財政健全化への対応を図っています。

 北区においても、景気の動向などを踏まえて、堅調な歳入を見込むものの、ふるさと納税に伴う影響や社会保障費の増大、人件費の上昇、原材料・エネルギーの高騰、さらには建設コストの上昇による予算への影響等、財政運営上厳しいものになっています。こうした中にあっても、リーディングプロジェクトである「3つのコラボ」を中心に、7つの主要政策をはじめとした計画事業を着実に実施するとともに、新庁舎整備等公共施設の更新需要も見据えた基金残高の確保等、財政対応力の維持を図り、少子高齢化の更なる進展等、長期的な展望を持ち、また、目まぐるしく変化する予測困難な社会経済情勢に対応するため、前例にとらわれることなく取組みを続け、それにより生み出されるイノベーションにより未来を切り拓きながら、持続可能な行財政運営で区民ニーズに的確に応えてまいります。

 年頭のあいさつの場で、渋沢翁の言葉を引用させていただきました。
 「多くの葉を摘まんと思えば、その枝を繁茂させなければならない。その枝を繁茂させようと思えば、その根を培養せねばならない。」
 これまで、変革を行い、前に進めてきた様々な取組みを、しっかりと根付かせることで、区内に多くの「幸せの葉」が茂り、区民の皆さまの豊かさが「広がる区政」を目指してまいります。
 そして、「誰かひとりではなく、みんなが豊かさを感じることができる、あたたかな北区」実現に向け、区議会の皆さま、北区に関わる全ての皆さまと一緒に「みんなで創る。北区新時代!」の取組みを進めてまいります。

 最後に、区政伸展のため献身的なご活躍をいただいております議員各位に対し、深く感謝申し上げ、所信の表明と予算大綱の説明といたします。

添付ファイル

北区政執行の基本方針についての所信と令和7年度当初予算の大綱について(全文)(PDF:1,386KB)

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