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最終更新日:2015年4月23日
宝幢院(ほうどういん)
宝幢院は医王山東光寺と号し、真言宗智山派に属する寺院で、本尊は薬師如来像です。寛正2年(1461)宥鎮和尚によって開山され、約150年後に深承阿闍梨及び宥意和尚が中興しました。『新編武蔵国風土記稿』には、慶安2年(1649)に三代将軍家光から赤羽根村内に10石余の年貢・課役免除の朱印を付されたことが記されています。寺伝や浮間の古老の言い伝えによれば、かつてこの寺は、浮間村西野(現在の浮間4丁目にほぼ相当)にありましたが、荒川の氾濫による洪水を避けて赤羽に移転し、跡地は宝幢院屋敷と呼ばれたそうです。
境内には、区内最古の寛永十六年(1639)霜月十八日銘の阿弥陀如来線刻庚申塔(あみだにょらいせんこくこうしんとう)があります。板碑型の石塔本体正面には、阿弥陀如来立像と二猿が線刻され、「山王廿一社」の文字を見ることができます。「庚申」という文字が無く、本来は三猿のところが二猿であるために、この塔を庚申塔と呼ぶかは議論が分かれますが、区外には、庚申信仰と山王信仰の結びつきを表した類似のモチーフがあるところから、この塔も両者の信仰が結びついて造立されたようです。
その他に馬持講中(当時馬を飼っていた資力のある村民)の人名を刻んだ馬頭観音塔や、出羽三山供養塔などがあり、この地の歴史を知る上で貴重なものとなっています。
北区教育委員会
赤羽3-4