ここから本文です。
掲載開始日:2016年8月15日
最終更新日:2024年2月14日
近年、トコジラミの相談件数が増えています。住まいの衛生状態に関係なく、旅行先から自宅へ持ち込むことや手荷物に紛れて持ち帰ることで被害に遭う場合もあります。
最近では、殺虫剤に抵抗性を示す集団も報告されており、素人では的確な駆除が難しいことに加え、生息を拡大させてしまうこともあります。発見したら早めに専門の防除業者に依頼するようにしましょう。
カメムシ目(半翅目)に属する昆虫で、俗称として「南京虫」と呼ばれることがあります。触れるとカメムシと同じように嫌なにおいを発します。アタマジラミやケジラミ、コロモジラミなどとは全く異なるグループに属します。
トコジラミ成虫
成虫は5~8ミリメートルの大きさで、茶褐色をしています。背腹に扁平な体つきをしていますが、吸血すると腹部が大きく膨らみます。飛ぶことは出来ません。
栄養源は血液のみで、人以外にも犬や猫、ねずみ、鳥なども吸血源となります。雄雌関係なく、生まれたての幼虫から成虫までが吸血します。吸血されると体内に唾液が注入され、アレルギー反応により皮疹や痒みが生じます。刺されても痛みを感じることはほとんどなく、刺される回数が増えることにより症状が起き、痒みが生じるまでの時間も短くなります。
夜行性の昆虫で、被服から肌が露出した部分を吸血します。昼間は暗くて狭い隙間に潜んでいます。ベッドや布団を敷く場所の周辺に多く見られ、畳やソファの隙間、家具やコンセント内部なども潜み場所とします。潜み場所の周辺には、血糞の黒っぽいシミが見られることがあります。
トコジラミの潜み場所
(図,出典:公益社団法人東京都ペストコントロール協会)
血糞のついた衣類
トコジラミは一旦持ち込み繁殖すると防除が難しく、多大な労力や駆除費用がかかります。雌は1日5~6個の卵を産み続け、一生の間に500個程度産卵するので、すぐに生息範囲は拡大していきます。
現在、日本で問題になっているトコジラミの多くは、ピレスロイド系殺虫剤に対し強い抵抗性を示す集団が確認されており、さらに抵抗性が発達する恐れがあります。エアゾール剤の使用は、かなり多量に使用しなければならず、潜み場所を的確に把握し処理しなければなりません。また、燻煙剤は生息範囲を拡大させる可能性があります。保健所では、専門業者による駆除をご案内しています。
専門業者については、公益社団法人東京都ペストコントロール協会(03-3254-0014)にお問い合わせください。複数の業者から見積もりをとり、十分ご検討の上、駆除を依頼することをお勧めします。
なお、ディートを有効成分とする忌避剤はトコジラミに対しても効果があり、皮膚に塗布して数時間は吸血を阻止することが出来ます。露出部を極力なくし、ムラなく塗るよう注意しましょう。
お問い合わせ
所属課室:北区保健所生活衛生課環境衛生係
〒114-0001 東京都北区東十条2-7-3
電話番号:03-3919-0720