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掲載開始日:2018年5月22日
最終更新日:2023年8月31日
東洋大学ライフデザイン学部健康スポーツ学科の齊藤恭平ゼミ生たちが、北区ゆかりのアスリート(城北信用金庫(本部:北区)所属)である久良知美帆さん(フェンシング・フルーレ)、永野元佳乃さん(アイスホッケー)にインタビューを行いました!
Qフェンシングとアイスホッケーを始めたきっかけ
久良知さん
A:私は福岡県出身なんですが、当時テニスをしていて、テニスのダブルスのペアの子がフェンシングもちょっとやっていて、フェンシングって面白いよと声をかけていただき、体験に行ったのが最初の出会いです。
そのあと指導者の方からフェンシングに向いているんじゃないかと声をかけていただきました。最初に出会ったのは中学2年生で、その頃はまだテニスをやっていたので、中学3年生にフェンシングをやり始め、夏ぐらいにフェンシングで東京に出てこないかという話をいただき、本格的に始めるようになりました。中学を卒業してから東京に来ました。
永野元さん
A:アイスホッケーに出会ったきっかけは、幼稚園の年中か年長ぐらいの時に、たまたま見ていたテレビにアイスホッケーをしている親子の映像が流れて、それを見て楽しそうだなと思ったことです。
当時一番近い練習場(スケートリンク)にあるクラブチームが小学校1年生からしか入れなくて、入るまでの時間のブランクというか入りたいけど入れないみたいな状況がありました。1年生になるまでは、近くのスケートリンクでスケート教室に通って、1年生になって、よしできるぞ、となった瞬間から、他の1年生で始める選手よりもスケートが上手い状態で始められたっていうのが最初のスタートです。
もう絶対負けたくないっていう思いで、周りよりもスケーティングだけはちゃんと練習して、っていう感じでしたね。
Q:競技を続けてこられた魅力はなんですか?
久良知さん
小さいころから結構いろいろな習い事をしていて、どれも人並みにできたらちょっと飽きちゃう癖がありました。フェンシングは始めて15年と一番長くなったんですが、はまった理由が、負けず嫌いという気持ちが大前提にあります。なかなか勝てなくて、自分が勝ちたい相手に追いつくまでに、勝つまでやろうと思ってやってると同級生に追いついて、そしたら今度もっと上の人が出てきて、次に世界が出てきてっていうふうに、自分が達成した目標の次に自分が勝てない相手が出てくることが面白くて、その人に勝つまでやりたいっていう気持ちが、今まで長く続けてこられた一番の理由かなと思います。
あと、魅力としては誰でも勝つチャンスがある競技っていうのが一番面白いなと思っています。身長が有利かとよく聞かれますが、そうでもなくて、小さい選手でも大きい選手に勝てる競技でもあるし、統計をとってもどういう選手が勝てるっていうのがないのがフェンシングで、そこが結構面白いですね。これを鍛えれば勝てるようになるっていう概念が一切通用しないので、だからこそ、自分でも世界で勝てるチャンスがあるなって思えるのが一番の魅力です。人によってやるトレーニングも全然違うし、フィジカルを一切やらない選手もいたりとか、フェンシングだけやっていればいいという人もいるし、本当に人それぞれです。
永野元さん
小学校3年生くらいの時に、ちょうど冬季オリンピックがあって、それを見たときに初めて女子の国際試合というか大きい大会をテレビで見て、ホッケーを始めようって思ったきっかけと同じように、オリンピックに出場したいなっていう夢がそこでできました。
中学校までは地元の大阪でアイスホッケーをして、そこからより強いチームに行くために環境を変えて北海道に移住して、6年間北海道で過ごしました。そこから次は日本代表に入るために海外にもチャレンジして、1年ほどカナダに行って、ホッケー留学というのをして、それから今の東京を本拠地としています。
競技をやっていたからこそ、いろんなところでアイスホッケーができました。競技を通して人間としても選手としても成長してきたという過程があって、長く続けてこられたのかなって思うし、オリンピック出場っていう目標がまだ叶えられていないので、これからそれを実現させたいと思い、今やっているところです。
Q:競技を続ける上で特に何かケアが必要な体の箇所はありますか?
久良知さん
基本的にフェンシングはずっと中腰で動いているので、下半身の太ももとかお尻とか腰あたりはずっと張っているような状態です。下半身が一番ダメージが大きいですね。
永野元さん
アイスホッケーは氷上の上で、分かりやすく言うとアメフトのタックルみたいなものを結構スピードが乗った状態でやったりするので、全身疲労がたまりやすい競技ではあると思います。私がJOHOKU ATHLETES CLUBで一番筋肉ありますね。腕相撲大会はだれも敵わないです。最強です。
Q:フェンシングでなぜフルーレを選んだのですか?
久良知さん
特に自分で選択したっていう場面はなくて、日本が基本的にスタートはフルーレという文化が根強くて、みんな高校・大学を終えて、それから種目を転向するっていうのが主流ですね。
私はフルーレで高1の時に本格的にスタートして、高3の時にインターハイで優勝できたタイミングで、自分でも向いているのかなと思ったので、そのままフルーレで続けていきたいという思いが強かったです。
フルーレは胴体だけが有効面で、エペは全身頭の先から指先もOKだし足先もOKという種目で、サーブルは上半身だけです。そのスピード感だったりとか、使う道具も全然違います。種目を転向するっていうのはだいぶ勇気がいることでもあって、私が別の種目をやるっていうのは結構難しいですね。
Q:ブルガリアとエジプトのワールドカップに出場されましたが、ご自身で成長を感じた部分はありますか
久良知さん
フェンシングのワールドカップって予選がまず7人とかで総当たりのリーグ戦をやって、予選トーナメントというのがあって、それで勝ち上がるとトップ64が2日目からスタートするので、基本的に出場人数が200人くらい出てる中で、まず2日目の64人に残るっていうのが第1関門です。
今まではその予選で2勝とか3勝とか、予選トーナメントの1回目で負けちゃったりとかが多かったんですけど、このシーズンはその予選で全勝できたり、かなり集中力が上がったりと、短い期間で勝負するっていうのが得意になったなと思います。
まず予選でしっかり勝たないとトーナメントに上がれないですし、そこの土台というかスタートの作り上げ方がすごいうまくなったなっていうのはありますね。自分がアタックという攻撃動作を前に進めるときに結構ブレが多かったので、外国人のパワーに負けて倒されるというか自分がバランスを崩して失点するという場面もあったんですが、そういうところがかなり減ったなと思っています。逆に自分の得点につなげることができるようになったので、そういったところですごく成長したなっていうのは感じています。
Q:シュートが当たったときの衝撃ってどのくらいですか。
永野元さん
女子のカテゴリーの中では、早い選手では100キロ~110キロくらいですね。多分男子だと150キロくらいあります。キーパーはゴールを守るので100%ゴールに向かってくるんですが、その間にプレイヤーが止めなきゃいけいという仕事があるので、シュートを止めに行くんですけど、当たりどころによっては骨が折れます。防具を着ていても痛いですね。あざだらけです。
Q:4月に世界選手権に出場されましたが、ご自身の成長を感じた部分はありますか?
永野元さん
上位の国、私たちよりも高いレベルにある国の選手のスピードにやっと目が慣れてきたといいますか、今まではついていくのに必死でした。速すぎるし、パワーとしても劣るところがあったので、そこについていくのに必死でしたが、この間の世界選手権ではそれと対等に戦えたという実感がありましたね。でも勝敗に結び付けられなかったっていう点に関しては、得点を入れるための仕事ができていなかったなっていうふうに課題も見つかりました。
Q:試合前に集中力を高めるためのルーティンとかありますか?
久良知さん
試合に入る前、緊張しいなので、コートに入った瞬間に思いっきり息を吐くっていうのを1回だけやっています。
永野元さん
音楽を聴くことが好きなので、ロッカールームにスピーカーを持参して、チームメイトの好きな音楽とかをかけるDJをやったりします。あとは試合前にウォーミングアップをスケートリンクの中でやるんですが、その時にリンクの周りの観客席をぐるーっと見回しています。昔は会場を見渡すとめちゃめちゃ緊張してしまうところがあったんですが、最近は逆に見渡すことでリラックスできるというか、緊張がほぐれますね。
Q:最近のマイブーム
久良知さん
ショッピングとかですね。休みの日に一人でずっと家にいられないタイプです。買い物とか、一人カフェとか、最近初めて一人映画にも行きました。
永野元さん
私は一人映画が趣味です。ちなみに昨日の夜も行きました。ホラー映画なんですが、好きな芸能人が出ているので、舞台挨拶に行ってきました。
]Q:自身の競技のほかに好きなスポーツはありますか?
久良知さん
硬式テニスをずっとやっていたんで、今も実家に帰るとテニスをやっています。
全日本選手権とか楽天オープンとか、有明である大会は結構観に行っています。
永野元さん
バッティングセンターとかすごく好きで、1時間半とか2時間し放題に行ったことがあります。アイスホッケーでもバッティングっていう打ち方があるんですけど、その動作がちょっと似ているなと思っています。
Q:上京されたときに不安とかはありましたか?
久良知さん
めちゃくちゃありました。その時は競技をほぼやったことのない状態だったので、本当にフェンシングを選択したことが合っているのかもわからないですし、親元離れたりとか友達もいない状態だったので、めちゃくちゃ寂しかったなっていうのは思いました。
でも、それを感じるよりも、同級生にまず追いつくことに必死すぎて、あっという間に高校3年間が終わりました。その時にはもう寂しさとかなかったので福岡に帰りたいと思わなくて、それぐらいのめり込んだ時期でもありましたね。寂しさよりも本当にあっという間に過ぎたっていう。東京に来て友達もたくさんできたので、今は地元とこっちが同じくらい居心地いいなんて思いますね。
永野元さん
私は結構浮かれてましたね。1人暮らしすることも大変だったんですけど、それを楽しんでたというか、そんなに気負わずラフな感じで上京しましたね。
Q:自分を動物に例えると
久良知さん
好きな動物は馬なんです。馬と犬。
永野元さん
好きな動物はハリネズミですね。性格で例えるならわかんないなあ。
Q:好きな音楽は
久良知さん
私は好きなアーティストっていうのはないんで、いつも洋楽のヒットチャートのプレイリストを流して聴いている感じですね。
永野元さん
ジェネレーションズがすごく好きなんですけど、洋楽とか、K-POPとか、トレンドとか結構聴いています。DJは回す感じでやるわけではなくて、チームメイトの好きなアーティストとか聞いて、CDを借りたりダウンロードしたりして、試合前とか練習場でみんながリラックスできるような雰囲気を作っています。
Q:競技をやっている子どもたちにメッセージをお願いします
久良知さん
フェンシングって誰でも勝てる可能性のあるスポーツだと思っています。スタートが遅いとか早いって気にする選手が多いと思うんですが、私も実際に15歳くらいから始めて、自分の始める時期が遅いことに対して劣等感を感じていたんですけど、その差って最初だけはすごく感じるんですけど、2,3年経てばすぐ埋まるような競技だと思います。そこから先、長く続けるにあたって挫折とかがあると思うんですけど、そういった部分を感じつつも、一番は楽しんで欲しいなっていうところが大きいですね。
私は今までずっとオリンピックを目指すという環境に置かれていたので、あんまり競技を楽しむ余裕がなくて、ずっともう勝たなきゃ、という中で競技をやってきたのですが、やっと最近勝たなきゃという部分と、フェンシングが楽しいという気持ちが15年経って出てきました。それがやっぱり最初の時期にあると、成長するにあたって一番大きいことかなと思うので、まずは勝負も大事だと思うんですけど、フェンシング自体を楽しんでほしいなっていうのは、子どもたちに伝えたいなと思います。
永野元さん
アイスホッケーはスケートリンクがあってできるものなので、結構お金がかかったり、遠くに練習場があったりっていう難しい環境ではあります。私がオリンピックを見て夢をもらったように、今日本代表としての立場もあるので、子どもたちに夢をあたえられるような結果を、代表としては出していきたいと思います。そして私が現役を終えた後に、子どもたちに教えられるような環境を自分からも作っていきたいなというふうに思っています。
Q:区民の皆さんにメッセージをお願いします
久良知さん
上京してずっと北区に練習でお世話になって、全国の中でも北区はスポーツがすごく熱い街だなと感じています。JOHOKU ATHLETES CLUBとして、もっと北区を、スポーツを通して子どもたちやお年寄り、全世代の方々に元気を与えられるように頑張っていきたいと思います。
永野元さん
北区にスケートリンクがあればいいなと思うのと、あとはアイスホッケーに興味をもっていただき、そのきっかけを私たちがつくっていけたらなと思います。アイスホッケーの魅力が団体競技でもあると思うので、今サッカーだったり女子チームが熱かったりするので、日本代表としても勝っていって、興味をもってもらえるようにしていけたらいいなと思います。
久良知さん、永野元さん、ありがとうございました!
今後のさらなるご活躍を応援しています!
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