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掲載開始日:2018年5月22日

最終更新日:2021年9月8日

 

小方心緒吏選手スペシャルインタビュー!(平成30年9月中旬)

東京2020大会プロジェクトチーム(愛称:#ときおぱ)のメンバーが、2008年北京パラリンピック、2012年ロンドンパラリンピックにシッティングバレーボール女子日本代表として出場した北区職員の小方心緒吏選手にインタビューをしました!

インタビュー第二弾はこちら

広報課インタビュー(区長対談)はこちら(令和3年7月中旬)

小方氏インタビュー1
小方さんは、北区役所に勤務しながら、シッティングバレーボーボールと育児にも励んでいます。

もともとバレーボールをやっていたが…

Q シッティングバレーボールのルールを教えてください。
A シッティングバレーボールは、主に足や手に障害を持つ方が座ってやるバレーボールで、床に座りながら行うバレーボールですね。普通のバレーボールとは、ルールが2点違います。1つは、おしりを床につけたままボールにタッチしなければいけないんです。もう1つは、サーブをブロックできるというルールがあります。この2点以外は、普通のバレーボールと全く同じで、座って動く分、コートが狭く、ネットも低く設定されています。
-魅力は、どんなところですか。
 座ってやることによって、ボールの位置がすごく近いので、スピードがすごく速いスポーツですね。あと、座りながら動くって、あまりしない動きだと思うので、座っているのにこんなに速く動けるんだ、こんなに細かく動けるんだっていうところも観ると、面白いかなと思います。

Q シッティングバレーボールを始めたきっかけはなんですか?
A
 もともとバレーボールをやっていたんですが、15歳のときに、右大腿骨肉腫で人工関節を膝に入れたんですね。その入院中に、母の友人の方から「障害者のシッティングバレーボールがあるよ」って教えていただいて、そのときは全然やる気はなかったんですけど、退院した後に母から、しつこく「1回だけでいいから、ちょっと練習に行ってみようよ」って誘われて、根負けして1回行ったのがきっかけですね。
-最初にバレーボールをやろうと思ったきっかけはなんですか。
 姉が2人と弟が1人いるんですけど、姉が2人ともバレーボールをやっていたんです。「お姉ちゃんたちがやっているから自分もやる」って感じで始めました。ちょうど背も高かったので(笑)。

パラリンピックへの出場

Q パラリンピックなどで、日本人と外国人で「パラリンピックの認識が違うな」と感じたことはありますか?
A
 北京パラリンピックのときは、初めての出場だったのであまり覚えていないんですけど、ロンドンパラリンピックのときにすごく感じたことがあります。当時の日本において、パラリンピックは、あまり盛り上がることもなく、なかなか応援してもらえるものではなかったのですが、ロンドンの街なかは、本当にパラリンピック一色になっていたんですね。オリンピックが終わって、そのあとにすぐにパラリンピックが始まるのに、すごく切替えがされていて、オリンピアンと同じ看板にロンドン出身のパラリンピアンが一緒に写っていたりとか、オリンピックとパラリンピックで全く差異がなかったというのが、ロンドンの現地に行って、すごいびっくりしました。
イギリスでは、パラリンピアンもオリンピアンと同じくらい子どもたちにとって“ヒーロー”というような感じで、すごい熱気が伝わってきて…、そういう雰囲気が今まで日本で感じなかった空気だったので、すごいびっくりしました。

Q 日本代表になるというのは、どんな気持ちですか?
A
 日本代表自体は、シッティングバレーボールを始めてすぐになったので、あまり意識をしたことはなかったんですけど、北京パラリンピックの出場権を取ったときは、前回大会のアテネに出られなかったという想いもあったので、すごい嬉しくて…、ひたすら嬉しかったですね。その次のロンドンへの出場権を取ったときは、嬉しいだけじゃなくて誇らしいような感情も一緒にありました。
-シッティングバレーボール日本代表は世界で、どのくらいのランクにいますか?
 2018年7月に世界選手権があったんですけど、日本は、そこで16位中10位でした。優勝したのがロシア、2位がアメリカ、3位に中国っていう順位ですね。
-ロシアなど他の国の選手は、背丈が違うんですか。
 そうですね。背がもう段違いに高いです。180cmオーバーが何人もいるという世界なのと、あと、選手層の厚さが日本とは全然違いますね。大会で会うたび、会うたびに新しい選手が増えていますね。
-東京2020パラリンピックでメダルを獲得するためには、どんなことが必要だと思いますか?
 日本は、全体的に世界と比べて背が小さいので、チームの目標としては、まずサーブで攻めて、相手を崩す戦略や正直にスパイクを打たないこと、ブロックを狙ってスパイクを打ったりだとか、空いているところを狙って打ったりとか、技術的なところで背丈の高い国に勝てるように戦略を立てて、練習をしています。

Q 選手村での思い出はありますか?
A
 当時スポンサーだった日本でもおなじみのハンバーガーチェーン店が、選手村の食堂にあって、メニューを頼めば無料で出てきたのが衝撃的でした(笑)。
-選手村の部屋は、どういう部屋になっているのですか?
 お国柄でも違うと思うんですけど、パラリンピックが終わったあとは、マンションとして売り出すので、1部屋2、3人でベッドがある感じですね。
-チームの選手たちと一緒に同じ部屋に泊まるんですね。
 ホテルみたいに完全にひとり部屋ではなくて、基本お風呂とトイレは、共用で使う感じで、キッチンも付いていないですね。

小方氏インタビュー2

いざ東京2020パラリンピックへ!

Q 日本代表の雰囲気は、どんな感じですか?
A
 私はチームの中で3番目に若いんです。上は、50歳を超えている方もいらっしゃるんですけど、プレーのときは対等という感じなので、チームの雰囲気はいいですね。キャプテンが巻き舌で叱咤激励するときもありますけどね(笑)。
-一番若い方でおいくつなんですか?
 17歳の高校生がいます。その次が30代なので、20代がいないんですよね。

Q 日本代表は、東京2020パラリンピックに、出場権はありますか。
A
 開催国枠で出場権があります。もし、枠がないパラリンピックに出るためには、アジアの枠の中で1位になるしかないですね。
-何ヵ国出場することができるんですか。
 開催国枠を入れて、8ヵ国出場できます。
-アジアだと中国が強いですか?
 中国ですね。あともう1ヵ国は、イランが強いですね。男子では、世界ランキング1位(2018年9月現在)で、パラリンピックは何連覇もしています。女子も最近すごくチカラを入れていますね。女子の場合は、ほっかむりをしたまま長袖、長ズボンでシッティングバレーボールをやっています。

Q 試合をしているときは、緊張しますか?
A
 試合が始まる前は、緊張します。過度ではなく、緊張しているなくらいで。試合が始まってしまえば、忘れてしまいますね。ただ、今まで、ずっとアウェーでやってきたので、東京でやるときに、どこまで緊張するのか、わからないですね。
-緊張したときにやっていることはありますか?
 いつものルーティンを守っていることぐらいですかね。試合が始まる前の対人パスの練習で隣り合わせの位置を合宿と同じようにするなど、いつもどおりで考えるようにしています。

小方氏インタビュー3

シッティングバレーボールは、おしりが痛くなる(笑)

Q 私生活でプレーのために気を付けていることはありますか?
A
 今は、食事もなるべくタンパク質を摂るようにしています。また、ジムにも通っているので、シッティングバレーボールで使う背中の筋肉を鍛えていこうと思っています。
-背中も使うんですか?
 体幹と背中は、スパイクを打つときに使いますね。

Q シッティングバレーボールを辞めたいと思ったことはありますか?
A
 辞めたいと思ったことはないんですけど、休憩したいと思ったことはあります。おしりの皮がむけるんですよね。初めてやる方は特に、おしりの皮がまだ丈夫じゃないので。私も初めのころは、皮がむけたことがあって、その状態でプレーするのは、すごく痛いんですよ。だからちょっと休憩したいというときはありました(笑)。

Q 働きながらスポーツをすることは、大変じゃないですか?
A
 大変ですね。子どもが2人いて、夫の実家でお義母さんと弟さんと住んでいるので、休日に合宿で不在にするときは、夫とお義母さんで子どもたちを見てくれています。すごくありがたい環境でバレーをやらせていただいていますね。ただ、仕事が終わって、家のことやって、子どものことやって、そこからジムに行くのは疲れますね。あとは、休日に合宿から帰ってくると、洗濯物がすごい溜まっていたりとかして、「やらなきゃー」ってなるときもあります。

Q 応援してくれる声援などで嬉しかったことはありますか?
A
 基本的に遠征に行くのでも、合宿に行くのでも、仕事を休んで、職場の方々にお仕事をお願いして行くのですが、快く送り出していただいてすごく感謝しています。家では、夫とお義母さんと弟さんに感謝しています。

趣味は、ゲームや読書

Q 試合前は、どんなことをしていますか?
A
 ゲームしたり読書したりしています。バスに乗っているときは、目が疲れちゃうので、音楽聴くくらいしかやっていないんですけど、前日の夜とかは、ひたすらゲームとか読書とかしていますね。

Q 試合の前に必ず食べるものはありますか?
A
 食べ物でのジンクスは持っていないんですけど、靴下とシューズは、必ず左足から履きます(笑)。
-いつから左足から履いているんですか?
 たぶん中学生くらいからずっと左足から履いていますね。普通のバレーボールをやっていたときも、たぶん左足から履いています。遡ると小学生くらいまで遡れるかもしれないですね。もう自分の中での鉄板ルールですね(笑)。
-バレーボールじゃなくても、左足から履きますか?
 それは右足から履くときもありますね(笑)。

Q ほかに興味のある、観ていて面白いなと思うスポーツはありますか。
A
 ちょっと気になるのが、ゴールボールですかね。私は、ちょっと足に障害があるので、滑ってボールを止めるっていうのができないんですけど、あのボールってすごい至近距離で投げられて、すごい衝撃がくるらしいんですよ。いつボールがくるか、ボールの中に入っている鈴の音くらいしかわからないのに、よくブロックできるなって思いますね。寝ている状態でボールの衝撃がどのくらいなのかって一度受けてみたいですね。

プライベートなことについてもインタビュー!

Q 自分を動物に例えるとなんですか?
A
 コアラとかですかね。基本的にめんどくさがりやなので…、なまけものかな?(笑)じっと動かないタイプですかね。ただやるときはやりますよっていう(笑)。

Q 北区でよく行く場所は、ありますか。
A
 今は、あまり行けていないですが、東京都障害者総合スポーツセンターが十条にあって、毎週木曜日にシッティングバレーボールがあったので、高校時代から通っていました。

Q シッティングバレーボール以外で趣味はありますか?
A
 読書とゲームですかね。歴史やミステリー系が好きですね。

Q 好きな食べ物はなんですか?
A
 イカが好きです。
-なんで好きなんですか?
 小学生のときに初めてさきいかを食べて、「何だ!このおいしい食べ物は!」ってなって、そこからけっこうイカが好きで、お刺身系も好きなんですけど、私はなかでも乾きものが好きで…、コートネームも“イカ子”なんです(笑)。本名は、“しおり”って名前なんですけど、あまり呼びなれない名前なのかあまり覚えてくれなかったんです。合宿のときに、myイカを持ってきて、食べていたら、まわりの人に「そんなにイカが好きなの?それならコートネームは、イカ子でいいじゃん」ってコートネームが決まりました(笑)。

Q 尊敬している人はいますか?
A
 世の中のお母さんを尊敬しています。一人目を出産したときが、37時間かかったんです。陣痛も後半になってくると、いっそお腹を切ってくれって思ったので、世の中のおかあさんってすごいなーって思いました。

Q 座右の銘はありますか?
A
 「やればなんとかなる」ですかね。人間やる気になれば何とかなると思います。

2児の母として、仕事・シッティングバレーボール・家事育児をこなす日々

Q 休みの日は、どのように過ごしていますか?
A
 子供ができるまでは、趣味に時間を費やしていたんですよ。バレーもない休日は、寝ながらひたすらゲームやったり、ひたすら本を読んだり。それこそ、ベッドから夕方の4時ごろまで出ないっていう生活をしていたんですけど、今は、休日になると、子どもが朝の6時半とか、平日起きないくせに起きるんですよ。「ママー、お腹すいたー」とか、「ママー、ポケモンつけてー」とか言ってくるので、趣味の時間に費やせていないんですよ(笑)。

Q お子さんは、何か習い事をしていますか?
A
 上の子がチアダンスをやっています。女の子なんですけど、女の子らしいものがすごく大好きな時期で、すごくウキウキしながら踊っています。鏡とか自分の姿の見えるものがあるとすぐに踊りだしちゃうんで、ちょっと恥ずかしいんですよね(笑)。下の子は男の子なんですけど、来年の4月以降に何か習わせようかなと思うんですけど、ウルトラマンが好きで、すごいパンチとかキックとか夫にしてくるんで、格闘技系でもやらせる?なんて話をしていますね(笑)。

Q 北区は、どんなまちですか?
A
 不思議といろいろ許容してもらえそうなまちですよね。赤羽のごちゃごちゃしている感じとか、アクセスもいいし、赤羽でたまに飲むんですけど、あのごちゃっと感をみるとすべて許させるような気持になりますよね。

東京2020パラリンピックでは、最高のプレーを!

Q 北区の応援してくれる人たちにメッセージをお願いします。
A
 みなさまに応援してもらっていただいているからこそ、今までシッティングバレーを続けてこられたと思うので、応援してくださる方の気持ちに応えられるように、しっかり自分自身努力して、東京2020パラリンピックでは最高のプレーを見せられるように頑張りたいと思います。

小方氏インタビュー4
東京2020パラリンピックでのご活躍を期待しています!

 インタビュアー:平成30年度”#ときおぱ”メンバー 齋藤希子、冨永陽和、吉川小百合

※インタビューは、平成30年9月中旬に行いました。 


 

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