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最終更新日:2015年4月23日
釈迦如来が没してから弥勒菩薩(みろくぼさつ)が出現するまでを、仏教では無仏時代といいますが、地蔵菩薩は、この時代に衆生(しゅじょう)を救済する菩薩と信じられてきました。
ここの地蔵尊は、安山岩系の石を丸彫した像の高さ122.0センチメートルの石造地蔵菩薩立像(せきぞうじぞうぼさつりゅうぞう)です。昭和20年4月14日の戦災によって火を浴び、像の表面が剥落(はくらく)しており、造立した年代や造立者はわかりません。
しかし、昭和3年(1928)12月に出版された『王子町誌』253頁の記事によれば、子育地蔵尊は、王子大坂にあって山本家の祖先が誓願して室町時代の末期に造立したと述べられています。また、当時の堂宇は元禄時代に改築したものだとも記されています。この記述は当時の執筆者が聞き取った伝承を、そのまま書いたものだろうと考えられ、これから俄かに現在の像の造立年代を判断するには裏付けの資料が不足しております。
しかし、その信仰については「古来、子育及商売繁盛の地蔵尊として信仰せられ、毎月、四の日の縁日には参拝する者、実に夥(おびただ)しく、縁日商人の露店を張るものも頗(すこぶ)る多いので、その賑ひ、真に筆紙の及ぶところでない」とあり、昔から子育地蔵として信仰を集めていたことが知られます。
王子本町1-24-8